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 公認記録とは?

 

 ランナーとって、「記録が公認される」「公認記録を持つ」ことは、自己の能力や努力の結果を公に証明するスティタスであるとともに、主要なマラソン等、競技会の参加標準記録突破のためには、どうしても必要な条件です。
 しかしながら、陸上競技大会と違い、ロードレース等では、"公認の条件"に対する認知度が低く、記録が公認記録となるのか、ならないのか、正しく理解されていないことも多いようです。
 
 日本陸連の規則では、「競技者がつくった成績は、規則にそって組織された正式の競技会で(中略)なければ有効なものとしない。」とあります。「規則にそって組織された正式の競技会」に関する規定はいくつかありますが、要約すると以下のようになります。



 @ 日本陸連または都道府県陸上協会が
主催・共催あるいは所管する競技会。

 A 出場者が
登録会員または登記競技者に限る。

 B 
公認の競技場・競走路・競歩路で開催されること。

 C 補助員を除き、
公認審判員が審判すること。


 @については、参加者がもっとも判断しずらい規定です。日本陸連が関与する大会は全国規模のものだけですから、ほとんど問題ありませんが、各都道府県陸上競技協会加盟団体と言います。)は、様々な形で競技会、特にロードレースに関わります。「主催・共催」競技会というのは、選手権大会等、概ねわかりやすいのですが、「所管」となると、主催者が他にあって、その大会の運営を担当するということになり、ここで「協力」等と明確に区別をしなければなりません。
 
 加盟団体が「所管」する競技会では、加盟団体が、その競技会の成績を日本陸連に報告する義務があります。逆にいえば、成績の報告・公認審判員の派遣や運営をもって競技会を「所管」するわけであり、そのような競技会を正式の競技会といいます。

  ところが、「協力」等の場合は、このような義務は無く、成績が報告されないわけですから公認もされません。従って、正式な競技会ではないわけです。加盟団体が所管の競技会であるのか、あるいは運営の協力をしているだけなのかは表面上、見た目の違いはほとんどありません。

 加盟団体が所管する競技会は、年度初めの4月の段階で年間予定表(「カレンダー」と言います。)に記載されます。毎年開催されているレースがこれに載っていないということがあれば、加盟団体に所轄されていないと判断される根拠になります。


 Aについては、いわゆる「陸連登録」という言葉で言い表される制度です。公式の陸上競技大会には、登記・登録をしていない選手(あえて区別するときに「一般」と区分します。)は出場することができません。従って、登記・登録者と一般の選手が一緒に競技することは、正式な競技会ではできないことになります。

 登録者が公認記録を残すことを証明するためには加盟団体から「公認記録証」が発行されます。これはレースの事前あるいは事後に競技者が自ら申請することによって発行されるもの(有料)ですが、正式競技会では、受け付け付近に専用の窓口を置いていることが多いようです。
 これはもちろん、主催者が誰にでも発行する「記録証」や「完走証」といったものとは全く違います。「そういうのは、ウチは出してない」「記録証か完走証でいいでしょ?同じようなものですよ。」といったような反応がある競技会の記録は公認されないと考えていいでしょう。


 Bについては、規則によって公認の条件が定められています。公営の陸上競技場においては、まず大抵は公認申請しているはずです。ロードについては「日本陸連公認コース」と言われているのが規則に則って計測された公認競走路のことです。

 「公認コースで実施されたレースの記録は公認記録になる」― 非常に多くのランナーが、また肝腎の主催者側の関係者までが、そう信じていることが多々あります。これは上記@の認識がないことが主な要因です。地方自治体などが主催するレースなどでは、市区町村の陸上競技協会に協力を依頼し、公認コースを使用することで記録が公認されると信じ切って運営されていることがありますが、これは@に該当しないため、正式競技会とはなりません。
 
 「加盟団体が所管するレース以外は正式競技会ではない」― 正式な競技会でないということは、運動会や仲間うちで行うイベント、トレーニングで実施するタイムトライアルとなんら性格的には変わりません。たまたま、場所が公認コースであったというだけのことです。どんなに大きな組織が盛大な大会運営をしても、@に該当しない限りは「イベント」であって「公式競技会」ではないのです。
 


 Cについては、陸上競技の「公認審判員」という資格があります。無論、規則に則った競技運営をするための制度です。正式競技会では、所管する加盟団体が、その大会へ「審判員を派遣する」という形を取ります。自治体が主催し、役場の職員が動員されて記録を計測しているようなレースは当然これには当てはまりません。
 
 

 このような条件は、一見、ほとんどの競技会に当てはまるかのように思われがちですが、厳密に見てみると違っている、記録が公認されない正式な競技会ではない大会は意外と多くあります。陸上競技大会においては、そうでもないのですが、地域のロードレース大会などでは、主催者等、関係者がこのような認識に乏しく公式な競技会だと思い込んでいる場合、あるいは出場者が勝手にそう思い込んでいる場合などが散見されます。


 主催者の認識が足りないことがあるくらいですから、歴史的にも規模的にも認知されている場合を除いて、そのレースの記録が公認されるかどうかを出場者が判断するのは困難です。ここでは、一つの"自衛策"として、参加要領を見て判断する条件をいくつかあげてみました。これで完璧だというわけではありませんが、大部分は選り分けることが出きるのではないかと思います。

(1)日本陸連公認コースと明記してあること
(2)主管、主催等が、都道府県か市区町村の陸上競技協会であること
   (後援や協力では怪しい…)
(3)申込書に登録陸協、登録番号の記入欄があること
(4)「陸連登録の部」のみの開催で、出場資格が登記登録者に限定されているか、未登録者の「一般の部」と部門が分かれていること
(5)陸連の競技会日程(カレンダー)掲載されていること

 

 最近は計測器具の進歩により、「ネットタイム」の計測が可能となりました。参加者が数千人を数えるような大規模なレースでは、スタートラインから大行列となり、後方の選手が実際にスタートラインに達するまで数分もかかることがあります。ネットタイムは、このような時に、選手一人一人が実際にスタートラインを越えてからフィニッシュするまでの実質的なタイムを計測するものです。ネットタイムは、正確といえば確かに正確なのですが、公認記録とはなりません。正式な計時とは、スタートの合図から、各々のフィニッシュまでの時間を計測するものです。有利・不利が現実にあるのは否めませんが、陸上競技の大原則である自然の状態(気温や風、コースの状況)の中に参加人数も含まれていると考えてください。あるがままの中で一定の規則に則ってつくるのが公認記録なのです。

 公式な競技会でも、公式計時の他にネットタイムを計測してくれることがありますが、前述したように、これはあくまでも参考タイムであり、公認記録にはなりません。ランキングの申請や参加標準記録の突破の際には十分注意してください。

 

 公認記録Q&A

【Q】ある公認のマラソンで未登録の一般の部で3時間15分を切りました!これから登録すれば「大阪国際女子マラソン」に出られますか?

【A】残念ながら、その記録は公認されず、出場する権利は得られません。記録が公認される条件は、「登録者が、公認コースで行われる公式のレース」で出したタイムであることです。この場合、記録を出した時点で登録者ではありませんので記録は公認されません。
 ちなみに、登録者が、一般の部に出場する(入賞狙い?)ことがありますがこの場合の記録も公認されません。

  

【Q】登録者です。公認と聞いていたマラソンレースで「別大」の参加標準を切りました!ところが主催者に問い合わせても公認記録証が発行されません。なぜ?

【A】「公認と聞いていた」という部分がミソです。クチコミで「公認」と大々的に噂されていても、実際は非公式レースだという大会はたくさんあります。噂はあくまでも噂であり、根拠を確認する必要があります。

 「公認記録証」は、完走証や記録証とは違います。男女3大マラソンをはじめ、参加標準記録が設定されているようなレースでは、そのコピーを提出するのが一般的ですので、記録が出たら、すぐに申請しましょう。(自動的に送られてくるわけではありません)これはそのレースを主管する陸協が発行することになっていますので、大会事務局などに言ってもはじまりません。公認記
録証が出ないレースは公認じゃないと言ってもいいでしょう。

 

【Q】公認ではないと聞いたレースの大会事務局に問い合わせたら「いやいや、ウチは公認ですよ!」と言われました。安心して出たら、やっぱり公認記録証は発行されなかった…。

【A】大会事務局や役員が、公認の条件をしっかり理解していないことも考えられます。「大会事務局なのに!?」と思うかも知れませんが、そもそもその大会が非公式であったとすれば、大会事務局と言えども、正式な競技会の運営に携わっているわけではありません。その担当者が、日本陸連の規則に則って、公認かどうかの見解を持っていると期待する方が難しいのではないでしょうか。中途半端な知識で、「公認コースを使うから公認である」と判断してしまうのはランナーも大会関係者も同じです。場合のよっては陸協に聞いても間違われることはあります。

 

【Q】Aさんは、非公式競技会で出した記録が標準を突破し、翌年のある国際級レースに見事出場を果してしまいました。記録は公認されないはずなのにどうして?

【A】これも実はけっこうあることです。これはいくつかの人為的なミスの可能性があります。考えられることは― 「Aさんの所属する陸協で、本人の申し出を鵜呑みにし、安直に出場承認を出してしまった。」「大会事務局で、陸協の承認を鵜呑みにし、エントリーを受理してしまった」というところでしょうか。

 本来、取るべき手続きは、「陸協では、申告された記録が公認であるか確認する」「大会事務局では、参加申込書と公認記録証を照合する」という簡単なことなのですが、数が多いとけっこういい加減に扱われることがあるみたいです。公認記録証は、このために必要な提出書類なのですが、間違えて完走証や記録証を送ってくる人がいても通してしまうこともあるようですね。
 
 こういう様々なミスが続いてスルーしてしまうことは実際にけっこうあります。このことが更に誤った認識や誤解を生む要因になっているとも言えるでしょう。Aさんは、ある意味ラッキーだったと言えちゃうのかもしれませんが、だからOKってわけではなく、これはあくまでもミスです。

 

 


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